EPISODE-15 退院
11月1日。
V6が解散する日。
とある病室のメンバーも解散を迎えていた。
「元気でな!」
「淋しくなるなー」
「もう帰ってくるなよー!」
なんて会話は1mmもなかった。
コロナ禍だからなのかは分からないが
病室メンバー達との関わりは一切なく
朝晩おならで挨拶するだけのドライな関係だった。
「くそお世話になりました」
心の中で告げた私は
振り返る事なく静かに病室を出た。
そして受付でお金をむしり取られた後
4日振りに世界へと飛び出した。
秋の風が私の頬を撫でる。
久しぶりに履いたスニーカーはどこか軽く
アスファルトを蹴ればどこまでも行けそうな気がした。
さて!
行くか!
私は迷う事なく
マクドナルドに向かって走り出した!!