終点、池袋

フィクション交じりのノンフィクション

EPISODE-0 ポパイと呼ばれた男

ブチッ!…っと音がするでもなく
生まれてから30と数年 苦楽を共にしたベストフレンド
私の上腕二頭筋長頭腱は断裂した。



秋の訪れを感じる柔らかい風が吹いていた
のかも知れないとある土曜日。

趣味でやっているボルダリング中の出来事だった。


飛び付いてアンダー向きのホールドを止めた瞬間
右肩付近に違和感を感じ落下した。


「何か今変な感じがしたわー」


笑いながら友人に近寄る私。


そんな私を見た友人は膝から崩れ落ちた。

「え?」


歯をガクガク言わせ怯えた表情で私を見る。


「何?どうしたの?」



 
「ポ…ポパイ…」


私は恐る恐る自身の右腕に目を向けた。


ギャァァァァァァ


f:id:inuinc:20211022212110j:plain


私の右腕は
腕立てを1日100回休む事なく
数年続けなければ到底到達しないはずの
激強アームレスラー状態と化していた!